新婚旅行はカナダへ行こう! 〜搭乗口編〜

 初出:1999/10/07 Key SS掲示板 No.20733

[戻る]




   新婚旅行はカナダへ行こう!〜搭乗口編〜


「わぁ、外人さんばっかりだよ」
「そりゃあ外国に行く飛行機だからな」

 あたりを見回すと、俺達と同様に飛行機への搭乗を待つ人たち。
 白い人や黒い人が多い。

「日本の人も結構いるみたいだね」
「いや、ありゃあ中国系じゃないかなぁ」

 黄色い人も、話してる言葉を聞くと、日本語じゃなかったりする。
 俺達の座ってるソファーの背後からも、得体の知れない言葉が聞こえてくる。

「日本にこんなに外人がいるなんて、知らなかったよ」

 どこかとぼけたような口調と表情。いつもと変わらないように見える。
 でも、普段から名雪のことを見ている俺には、直ぐに分かった。
 俺はそっと、名雪の腕を取る。

「祐一?」

 驚いたように俺の顔を見る名雪。

「大丈夫、何かあっても、俺が守ってやるから」
「うん……ありがとう、祐一」

 逆に、俺の腕に自分の腕を絡める名雪。
 そのまま身を寄せてくる。
 名雪の暖かさが心地よい。

 あの街には、外人なんてほとんどいなかったもんなぁ。
 いきなりこれだけの外国人を見れば、怯えるのもしょうがないか。

「……守ってやらなきゃな」
「え、何、祐一?」

 俺を見上げる名雪。
 至近距離で見つめ合う、瞳と瞳。

「なんでもないよっ」

 照れくさくて視線を逸らす。

 そのまま手持ち荷物の中から1冊の本を取りだし、付箋の張ったページを開ける。
 そして熱心に読み始めるふりをする。

 不審な顔でページをのぞき込んだ名雪は、不意に表情を崩して、耳元に口を寄せ
る。

「よろしくお願いします、だよ」

 チュッ。
 一瞬頬に当たる、柔らかい感触。

 そのまま真っ赤な顔で、うつむいてしまう名雪。
 こんな恥ずかしいことをするからだ。自業自得だな。
 ……俺も相当赤くなってるだろうけど。

 俺は周囲の視線に耐えつつ、飛行機への搭乗が始まるまで、「飛行機の中での英
会話」の復習を続けたのであった。


-終-


解説、または後書き

 あぅー、全然先に進みません(T_T)
 本当なら飛行機に乗ってるはずなのに……なぜだか搭乗口だけで終わってしまい
ました。

 駄目です、らぶらぶが止まりません(笑)
 でもこの二人のらぶらぶなところを書いてるの、とっても楽しいんだもんなぁ。

 というわけで、次回こそは飛行機に乗ってくれると信じたいと思います(爆)

 一応解説など……
 他の時期はどうだか分かりませんが、この時期の平日なんて、カナダに行く観光
者なんて、ほとんどいないみたいです。
 外人さんばっかり。
 最初の人はかなりびびるでしょう。多分。

 そんな小さなことから、1本のSSって出来るもんなんですねぇ。


もしよろしければ、感想をお願いします。

お名前:(必須です。ニックネーム等でかまいません)

評価: 最高! 面白かった まあまあ つまらなかった なにこれ

コメント:もしよろしかったら一言二言……

  

  

※ここで入力した感想は、このページで公開されることがあることをお断りしておきます。


[戻る]